前の日
https://sakulight.blog/travel/day34-london/
朝7時起床。8時に宿を出ました。
今日はロンドン北部にあるTottenham Hotspur Stadium(トッテナム・ホットスパー・スタジアム)で、「The Dare Skywalk」という屋外アクティビティに挑戦します。

最寄りのPlaistow駅から出発し、Liverpool Street経由でOverground(Weaver Line)に乗り換え。
White Hart Lane駅で下車。所要は約1時間。
駅からは徒歩5分ほどで到着する。Googleマップを頼りに歩けば迷いません。

到着は9時。最初のツアーは10:30からなので、だいぶ早くつきました。
スタジアムの一角にあるCafé Mで休憩します。
朝食は取っていませんでしたが、ここでは紅茶(£2.5)だけ注文。
ミルクを入れるか聞かれ、砂糖はセルフ。味は普通。
外は曇り。風が強くとても寒いですが、活動にはちょうどいい気温。
体験開始:チェックインと安全装備
10:15、受付がオープン。
まずスマートフォンで住所と緊急連絡先を入力し、免責事項を確認。
Go City Passを提示してチェックインを完了させます。
このとき、スタッフからスマホ用ストラップケースの購入を勧められます。
というのも、ストラップなしのスマホは持ち込み不可。
持っていない場合は、ガイドに預けて頂上で返却される仕組みです。
当然、その間は写真撮影はできません。
チェックインが終わると、ロッカーに荷物を預けます。
ロッカーは4桁の暗証番号式で、開け閉めのたびに同じ番号を入力します。
貴重品、ポケットの中の物すべてを預けます。
トイレはこのタイミングで済ませるのが鉄則。
清潔で、利用者の回転も早いです。
靴も全員交換します。
サイズ表記がUK・US・EUなので、自分のセンチ換算をあらかじめ調べておくとスムーズ。
靴の交換を終えると映像ガイドを視聴。
安全説明が英語で流れ、スタッフが補足します。
映像が終わると、いよいよ屋外へ。
ハーネス装着と緊張感

ガイドが一人ずつにハーネスを手渡します。
脚→肩→胸の順で装着。
最後にベルトを引き締め、胸元に命綱を固定します。
その瞬間、ようやく「これから危険地帯に行く」実感が湧きます。
金具が肌に当たる感触が、静かな緊張を作ります。
ガイドの説明は丁寧で、ところどころ冗談を交えながら進みます。
不安を笑いに変えてくれるタイプ。
全員の装着が終わると、1回目の記念撮影。
軽く笑顔を作る余裕は、まだありました。
登頂:5分間の“命綱散歩”

まず屋内のバーを通過し、窓越しにスタジアム全体を見渡します。
ここまでは安全地帯。
そして、いよいよ外へ。

命綱はX字レール式。
カラビナを金属レールに固定し、自分でスライドさせながら移動します。
最初は急な坂。次に緩やかになり、再び急勾配。
登り切るまで約5分。
高さは「東京タワー級」ではありませんが、落ちたら間違いなく死ぬ高さ。
風が強く、体が微妙に揺れます。
でも、装備がしっかりしているから恐怖よりも「安全への信頼」が勝る。
イギリスの安全文化をここで実感します。
“命綱を信用できる国”というのは、思っていた以上に心強い。
頂上:恐怖と冷静の共存

頂上は人ひとりが通れるほどの狭い足場。
ここでガイドが10分ほど説明します。
スタジアムの構造やトッテナムの歴史など。
風の音が強くて、正直あまり頭に入りません。
でもガイドの声はよく通っています。
プロの声量です。
周りを見ると、アジア系の男性がひたすらカメラを構えています。
顔色ひとつ変えず撮影しているのがすごい。
白人客は白人同士で笑い合い、
ガイドもその距離感を保ちながら進行。
互いに干渉しない。
一方で、黒人客はいませんでした。
ただ、スタッフには黒人がいて、靴交換エリアで作業していました。
たまたま客層が偏っただけかもしれないが、
「誰がこうした体験を選ぶのか」にも文化の差を感じました。
記念撮影と自由時間

説明が終わると2回目の記念撮影。
ポーズ指定なし。
ただ、足場が狭いので自然と固まります。
撮影を終えた人から順に平坦なエリアへ移動。

全員が戻ると、10分ほどの自由時間。
望遠鏡が無料で使え、ドリンクを注文している人もいます。
風に吹かれながら街を見渡す時間は短いけれど濃い。
安全なのに危険を感じる、奇妙な体験です。
ガイドは自分の命綱も何度も確認していました。
慣れた手つきだが、絶対に省略しません。
下山と現実への帰還
下りは登りと同じルート。
途中でガイドが飲み物のカップを回収し、
最初の撮影スポットまで戻ります。
ハーネスを外して返却し、ロッカーから荷物を取り出して靴を履き替えます。
出口では写真販売があり、
ガイドが撮ったデータをその場で確認できます。
所要は全体で約90分。
体験料の価値は十分にあります。
怖さよりも「信頼感と達成感」が残りました。
昼:5ポンドのチキンで地上に戻る
12時ちょうどに終了。
そのまま近くのMarks & Spencer(M&S)へ行く。
£5のローストチキンとクロワッサンを購入。
後から調べたら、Geminiによるとこれは「非常にお得な価格」らしい。
夜:次の挑戦へ
明日はミュージカル『Wicked』を観る予定。
Go City Passでは当日窓口でしか発券できないため、
朝イチ(10:00)に劇場へ行くことに決めました。
劇場はApollo Victoria Theatre(ヴィクトリア駅直結)。
夜公演(19:30〜)でも、朝行けば席は残っている見込み。
ハロウィンが週末にあるので混む可能性は高いですが、
朝に確保すれば問題なさそうです。
なお、劇場には無料の給水スポットはありません。
飲料持ち込みは可だが、劇場バーを利用するのが一般的。
ヴィクトリア駅周辺で購入してから行くのが現実的。
まとめ:恐怖を管理する国で
The Dare Skywalkは、ただの高所体験ではなかった。
そこにあったのは、「恐怖を管理する文化」。
ガイドの動作、ハーネスの点検、ロッカーの仕組み──
全てが「安全であることを当然」とするイギリスらしさの表れでした。



コメント