
白浜という町を、正直あまり知らなかった。パンダがいなくなった町としてテレビの報道を思い出したくらいだ。
実際に1カ月ほど滞在してみると、少しずつ「町としての白浜」が見えてきた。
この町の中心にあるのはやはり観光だ。
ホテル、温泉、飲食店、お土産屋、不動産屋――観光客が生命線になっている。
裏通りを歩いても、その印象は変わらなかった。生活感はあるが、根っこには観光に依存する経済がある。
天候はまた「観光地にふさわしい」と言える。
晴れの日が多く、青い海と白い砂浜が人を呼ぶ。
パンダがいなくなった今も多くの海水浴客で賑わっていた。
海の透明度も高く、岩場の海岸ではその美しさが一層際立っていた。
滞在中には台風が訪れることもあったが、それでも大きな事にはならず、波が高くなる程度で収まった。
私は観光客のように温泉やレジャーに明け暮れるわけではなく、日常の延長としてジムでトレーニングを続けていた。
観光よりも日常に近い過ごし方だったが、その分「暮らすように旅する白浜」を肌で感じられたと思う。

観光客を迎える賑わいに対し、どこか排他的な空気を感じる瞬間もあったのも事実だ。
それでも晴れの日の白良浜は、やはり多くの人を惹きつけるだけの魅力があった。

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