イスタンブールを最初に欧州諸国を巡り、ロンドンへ至る約2ヶ月の旅。メインの荷役は60Lのキャリーケースが担いましたが、旅の中盤、パリからはさらに小型のキャリーを1台追加する形でした。
最初は「転がせばなんとかなる」と考えていたキャリーケースの運用ですが、石畳と階段が連続する環境では、単なる移動が「物理的な闘い」へと変わります。今回の旅は飛行機よりも鉄道移動が中心で、それに付随する徒歩やメトロ、バスでの移動が大きな比重を占めました。
一定のボリュームを抱えたまま都市をまたぐ。その体験の中で、手持ちのキャリーが石畳の振動や駅の階段に対してどう機能したのか整理します。
石畳と階段は想像よりずっと重かった

今回使ったのは、拡張機能付きの60Lキャリーです。旅全体を通して壊れることはなく、容量面でも大きな不満はありませんでした。実際、7週間の移動をほぼこれひとつで回れたので、その意味では十分役目を果たしてくれたと思います。
ただ、ヨーロッパの古い街並みや地下鉄移動では、話が少し変わりました。石畳では車輪が素直に転がらず、腕や脚に余計な力が入ります。さらに、メトロや宿の階段では、転がす移動ではなく持ち上げる移動に切り替わる場面が何度もありました。
出発前から石畳は大変そうだとは思っていましたが、実際はそれ以上でした。しかも大変だったのは石畳だけではなく、階段や段差、駅構内の細かい上下移動も含めた全体です。移動のたびに少しずつ体力を削られる感じがあり、観光そのものより、駅から宿までの数十分の方が記憶に残っている場面もありました。
7週間の移動で実際に面倒だった場面
持っていったのはNew Tripの60Lキャリー
使ったのは、New TripのMサイズ、60Lのファスナータイプです。拡張機能付きで、ダブルキャスター、TSAロックあり。色はワインレッドでした。
このキャリーを選んだ理由は、細かく比較検討したというより、容量と価格のバランスを見て決めた形です。家にあったものをそのまま持っていっただけで、当時はキャリーの選び方に強いこだわりがあったわけではありませんでした。石畳は大変そうだな、くらいの認識はありましたが、その時点ではまだ実感まではありませんでした。
イスタンブール、フィレンツェ、ボローニャの石畳は想像以上にきつかった
特に印象に残っているのは、イスタンブール、フィレンツェ、ボローニャの古い町並みです。見た目には雰囲気のある石畳ですが、キャリーを引く側としてはなかなか手強い道でした。
路面がガタガタしていて、引っ張ってもすっと進みません。車輪が細かい凹凸に取られて、前へ進ませるだけで余計な力が必要になります。振動もずっと手元に伝わるので、少し歩いただけでも腕と脚が疲れます。平らな道なら気にならない重さでも、石畳に入ると急に扱いづらくなりました。
観光地としてはきれいでも、荷物を持って移動する場面ではかなり別です。歩いているだけなら気にならない道でも、60Lのキャリーを引いた瞬間に印象が変わる、ということは何度もありました。
パリのメトロは、地下から地上まで階段が長かった
パリの移動で最大の障壁となったのは、メトロの階段です。主要駅を除けばエスカレーターの設置はなくで、地下深くから地上まで、あるいは乗り換えのたびに、まとまった段数の階段を自力で上ることを強いられます。
キャリーを転がせる平地とは違い、階段になると持ち上げるしかありません。一度きりなら耐えられますが、移動のたびに数十段の昇降を繰り返すことは、確実に体力を削ります。
パリ北駅のように設備が整った場所は例外的であり、**「パリのメトロ移動は、重い荷物を抱えて階段を昇降する工数があらかじめ組み込まれている」**と想定しておくべきです。
ベルリンのAirbnbは、一回上がるだけでも段数が多く感じた
宿でも、持ち上げる場面は思ったより多くありました。特に印象に残っているのがベルリンのAirbnbです。ヨーロッパの建物は天井が高いところが多く、1フロア分上がるだけでも段数が多く感じました。
日本の感覚で「1階上がるだけ」と思っていると、実際にはそれなりに長いです。エレベーターがない宿では、キャリーを抱えて上まで運ぶことになります。宿に着く頃にはすでに移動で消耗しているので、最後にこの階段が残っていると、なかなか堪えます。
石畳ばかり意識していましたが、あとから振り返ると、宿の階段も同じくらい記憶に残っています。
列車に乗るときのステップも毎回少し面倒だった
鉄道移動が多かったので、列車に乗るときの段差も何度も経験しました。車内の大きな荷物置き場に持ち上げる場面は、1回置いてしまえば終わりなので、そこまで強く残ってはいません。
それよりも、乗るときのステップの方が回数が多く、毎回少し面倒でした。ホームと車両の高さがぴったり揃っていないこともあり、キャリーを持ち上げながら乗り込む場面が続きます。ひとつひとつは小さな動作でも、旅全体では何度も繰り返すので、あとからじわじわ残ります。
ガラガラ音は、郊外ほど気になった
石畳では振動だけでなく音も出ます。キャリーを引くたびにガラガラ鳴るので、それが案外気になりました。
時間帯というより、場所の影響が大きかったです。人通りの多い中心部では紛れますが、郊外や静かな通りでは音がかなり目立ちます。こちらが思っている以上に存在感が出る感じがあり、大きな荷物を持って移動していることが周囲に伝わっているようで、あまり落ち着きませんでした。
単にうるさいという話だけでなく、自分の位置や状態を知らせている感覚があるのも気になる点でした。
不満ばかりではなく、助かった点もあった

拡張機能は後半でちゃんと役に立った
出発前は、拡張機能はそこまで使わないかもしれないと思っていました。ですが、旅の後半になると買い足した物や細かい荷物が増え、結果としてかなり助かりました。
長期旅行では、最初に詰めた量のまま最後まで進むわけではありません。途中で荷物の収まり方が変わることもありますし、現地で増える物もあります。そのとき、少し余裕を作れるのはありがたかったです。無理やり押し込まずに済んだので、帰りの荷造りでも気持ちに余白がありました。
ホイールは大きめで、値段を考えると十分だった
この価格帯のキャリーとしては、全体としてよく持ってくれたと思います。特にホイールは、あとから振り返ると大きめで良かったのかもしれません。石畳では苦戦したとはいえ、平らな場所では普通に転がせましたし、7週間の移動を通して大きく壊れることもありませんでした。
もちろん、もっと上の価格帯の製品と比べたら違いはあるのだと思います。ただ、今回の旅で使った感触としては、値段の割に十分という印象です。少なくとも、安かったから失敗だった、という感じではありませんでした。
この旅のあとで、キャリーを見る場所は少し変わった
次に気にしたいのはホイール径
今回の旅を通して、次にキャリーを見るなら気にしたいと思ったのはホイール径です。石畳では、車輪まわりの差がそのまま移動の感触に出ると思いました。
容量や色よりも、まず見たいのは転がる側です。実際に店頭で見られるなら、その場で確認したいのはここだと感じました。
もうひとつ見たいのはタイヤの厚さ
もうひとつ気になったのはタイヤの厚さです。石畳では細かい振動がずっと伝わってくるので、タイヤまわりの作りで印象は変わりそうだと思いました。
ネット注文だとこのあたりは分かりづらいですが、次に買うなら意識したい部分です。今回の経験で、見た目より先に車輪まわりを見るようになりそうです。
容量があることと、街中で引きやすいことは別だった
60Lという容量そのものには助けられました。長めの旅で荷物を収めるには、このくらいあるとやはり安心感があります。ですが、荷物が入ることと、街中で運びやすいことは同じではありませんでした。
石畳、階段、段差、メトロ移動が多い旅では、容量の話だけでは足りません。たくさん入ることは助かりますが、その分、引く場面や持ち上げる場面では別の重さとして返ってきます。今回の旅でそこがはっきり分かれました。
容量と移動負担をセットで考えたい場合は、65L・90L・セカンドキャリーの比較記事で、サイズごとのメリットとデメリットを整理しています。
まとめ
60Lキャリーでも、7週間のヨーロッパ旅行を回ること自体はできました。拡張機能も役に立ちましたし、値段を考えると十分だったと思います。
ただ、実際に移動してみると、石畳と階段はかなり印象に残りました。イスタンブール、フィレンツェ、ボローニャの石畳では思うように進まず、パリのメトロやベルリンの宿では持ち上げる場面が何度もありました。列車のステップや石畳の音も含めて、ヨーロッパの移動は「転がせるから楽」とは言い切れませんでした。
この旅のあとで、キャリーを見るときに気になる場所は少し変わりました。次に見るなら、見た目や容量だけではなく、ホイール径やタイヤの厚さも気になります。石畳の街をまたぐ旅では、その差がそのまま移動の印象に出ると感じました。


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